健診で弱視と
診断されたら

弱視とは 子どもの視力は、身長のように成長とともに発達します。生まれたばかりの赤ちゃんの視力は、お母さんの腕に抱かれた時にお母さんの顔がぼんやり見える程度と言われています。大人と同じくらいの視力に達するのは5〜6歳です。視力が発達する時期に何らかの目の疾患がありますと、その成長が途中で止まってしまいます。このように視力が正常に発達できていない状態を「弱視」と言います。頻度は50人に1人です。身長の伸びる時期に終わりがあるように、視力の発達時期にも終わりが来ます。8〜10歳と言われていますが、それまでに弱視を治さないと、生涯、視力が1.0に達しない状態になります。これは、近視のように「眼鏡をかければ見える」という状態ではありません。「眼鏡やコンタクトをしても、1.0見えない」状態です。車、電車、飛行機など様々な乗り物の運転免許証には視力の条件があります。もし弱視を放置した場合、将来、こうした職業を諦めなくてはいけなくなるかもしれません。
反対に、この時期に発見し適切な治療を開始できますと、視力が発達することが期待できます。

弱視の種類は原因ごとに4つに分けられます。

眼鏡矯正 弱視の種類によって、治療方針は多少変わってきますが、治療の基本は眼鏡をかけることです。子どもは、物を見るときのピントを合わせる力(調節力)が大変強く(加齢とともにピントを合わせる力が弱くなり、いわゆる老眼になります)、眼鏡度数が正確に合わせられません。ですから、正確な検査を行うために、調節を一時的に休ませる目薬を点眼して眼鏡度数を決定します。(眼鏡作成については、次の章をご覧ください)眼鏡をかけますと、子どもはピントのあった像を見ることができるように、脳の視覚に関わる領域の発達を促します。つまり、眼鏡はかければかけるほど治療効果が高まりますので、眼鏡を常用することが大切です。このように、弱視治療のための眼鏡は「治療用」であるため、作成費用の一部が健康保険の適用となります。眼鏡作成時の費用を眼鏡店にお支払いした後、お手続きをすると費用の一部が戻ります。適用条件がありますので、該当するかどうかは先生や眼鏡店にお問い合わせください。
よく、「小さい子どもに眼鏡をかけさせるのはかわいそう。」といった意見を耳にしますが、むしろかけさせない方が子どもの見る機会を奪っていることになります。また、「転んだ時に、眼鏡で顔や目を傷つけるのでは」と心配されることがありますが、眼鏡を装用することで怪我や危険が多くなることはありません。むしろ眼鏡がないままでは良く見えず危険です。小さいお子さんは予想もつかない怪我をします。そのような時、眼鏡を装用していたことで、目が守られたというケースもあります。眼鏡をいつもつけることが大事であることを、本人にしっかり伝え、また子どもに関わる大人(保育士さんやおじいちゃん、おばあちゃんなど)にも理解してもらいましょう。

弱視訓練 次に行う治療方法は、弱視訓練です。弱視の目を積極的に使わせて視力の発達を促す治療です。視力が良い目(弱視ではない方の目)に訓練用眼帯(アイパッチ)を貼付する方法と、点眼薬を使用する方法が一般的です。それぞれの治療にメリット、デメリット、適応の違いがありますので、先生の指示に従って行います。
また、他の疾患があって弱視になっている場合は、その原因となっている疾患の治療を考えます。

眼鏡作成について 眼鏡度数が書かれた眼鏡処方箋を受け取られたら、眼鏡屋さんでフレームを選びます。子どものフレーム選びは大変重要です。子どもは大人に比べて鼻が低く、目から耳までの距離が短い傾向があります。また、個人差が大きいのも特徴です。すぐにズレたり、かけ心地が悪い眼鏡では、子どもは眼鏡をかけ続けられません。また、レンズの中心から視線がはずれ、正確な矯正ができなくなってしまいます。ですから、子どものフレーム選びは子ども眼鏡を専門に扱っているお店がおすすめです。そうしたお店には、眼鏡作成技能士という国家資格をお持ちの方が在籍しています。
また、処方箋を受け取る時、先生のおすすめの眼鏡屋さんはどこかを尋ねてみるのもよいでしょう。