眼のダメージ

年齢を重ねることで起きる眼の変化
年齢とともに少しずつ変わっていく、
私たちの眼の状態。
わずか0.01の視⼒しか持たない⽣後直後から、
どのような変化をたどっていくのかをお話します。

私たちの眼の状態は、生涯にわたって少しずつ変化していきます。

生後直後のイラスト
生後直後
0.01程度の視力があります。
3歳頃までのイラスト
3歳頃まで
視力が0.6〜0.9になります。
5歳頃のイラスト
5歳頃
視力が1.0になります。
ものを立体的に見る「両眼視」が、ほぼできるようになります。
10歳ないし14歳頃からのイラスト
10歳ないし
14歳頃から
ものを見るときにピントを合わせる「調節力」がピークになり、徐々に低下してきます。
40歳頃のイラスト
40歳頃
老眼を感じる人が増えてきます。
60歳頃からのイラスト
60歳頃から
個人差はありますが、正常な加齢変化としての白内障が発症します。
眼のダメージ眼のダメージ
眼にはさまざまなダメージが起こります。
ここでは、気をつけたい眼の症状について
お伝えします。

蚊が⾶ぶような⾒え⽅をすることが、⾶蚊症という名前の由来です。
蚊やススのようなものが眼の前に⾒えたり、光が⾶ぶように感じたりすることがあります。30歳を過ぎた頃から感じる⼈が増えてきます。多くの場合、加齢変化によって硝⼦体が混濁してくることによりますが、網膜剥離や眼底出⾎が起こっていることもあります。
時々蚊が飛ぶのが気になる程度なら放置して差し⽀えありませんが、急に飛んでいる蚊やススの数が増えたら、念のため眼科医を受診されることをおすすめします。

網膜が剥がれる 網膜が剥がれる病気で、初期症状として飛蚊症を感じる人が多く、やがて視野の欠けが分かるようになります。
程度によって、手術の方法はいろいろあります。
放置すれば失明するため、眼科医を受診されることをおすすめします。

眼圧という圧力に視神経が負ける 眼球内にある、眼圧という圧力に視神経が負けると、
視野に異常が出て、進行すると失明にいたります。
日本人の5%が緑内障にかかっていると言われています。
近くが見づらくなる老眼の症状がでる頃には、念のため、眼科医を受診されることをおすすめします。

加齢黄斑変性 加齢黄斑変性になると、碁盤の線(アムスラーチャート)がゆがんで見えたり、視野の中心が見えなくなります。
碁盤の真ん中の黒い点をじっと見た時に、碁盤の線がゆがんで見えたり、黒い点がはっきり見えない場合は要注意です。
網膜の中心が病気になっているおそれがあるため、 眼科医を受診してください。
50歳を過ぎたら十分に注意してください。

碁盤の線(アムスラーチャート)
加齢黄斑変性

水晶体が混濁する病気 水晶体が混濁する病気で、健康な人でも60歳を過ぎると正常な加齢変化として起きます。
加齢変化とは別に、生まれたときから水晶体が混濁している場合や、糖尿病や他の病気に付随して起きる白内障もあります。乳幼児や小児の瞳孔の中が白いと思われたときや、成人で視力低下を感じられたときは、眼科医を受診されることをおすすめします。

ドライアイとは「涙の異常」です。眼の保護に欠かせない涙の分泌量が不足することや、蒸発が増加することで涙の安定性が悪くなり、涙が均等にいきわたらなくなる病気です。角膜の乾燥による傷つきや、疲れ眼や視力低下など不快な症状が見られます。
エアコンやパソコン・スマートフォンの使用、コンタクトレンズ装用の増加に伴って、患者数も増えてきています。環境要因の影響が強いドライアイは「眼の生活習慣病」とも言えるでしょう。日ごろから「見えにくくなることがある」「夕方になると目がかすむことがよくある」などといった症状のある方は要注意。適切な治療とケアを行うため、眼科医をお早めに受診されることをおすすめします。

パソコンの使用などに原因により、涙の量が減少したり、瞬目の減少により涙液の蒸発が亢進して、ドライスポット(涙の薄い部分)ができる。 放っておくと目の表面細胞に傷がつきやすくなります。 パソコンの使用などに原因により、涙の量が減少したり、瞬目の減少により涙液の蒸発が亢進して、ドライスポット(涙の薄い部分)ができる。 放っておくと目の表面細胞に傷がつきやすくなります。

上下のまぶたの裏側と目をつないでいる半透明の膜(結膜)に、何らかの原因で炎症がおこる病気です。
結膜には多くの細い血管やリンパ組織(免疫反応を起こす組織)がある上、粘性の膜のため病原菌やアレルギー物質を含むさまざまな物質と接触しやすく、炎症が起きやすくなります。炎症を起こすと白目が充血し、涙や目やにも出やすくなります。
結膜炎にはアレルギー性結膜炎(春季カタル)、ウイルス性結膜炎、細菌性結膜炎などの種類があります。

上下のまぶたの裏側と目をつないでいる半透明の膜(結膜)に、何らかの原因で炎症がおこる病気 膜の乾燥によって起こる乾性結膜炎(ドライアイ)もそのひとつです。感染性結膜炎の場合は、もう一方の目や他人の目に感染が広がる可能性があるので特に注意が必要です。眼が充血したり、目やにが増えたりすることが共通の症状になりますが、まぶたやリンパ節の腫れ、眼のかゆみなどを伴うこともあります。「ありふれた軽い病気」と思われがちですが、結膜炎が原因でドライアイや視力機能障害になることもあります。後遺症を残さないためにも早めに眼科医を受診しましょう。