SDGsへの取り組み
SDGs(持続可能な開発目標)とは
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、
2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
17のゴール・169のターゲットから構成され、
地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。
長野県松島工場での取り組み
HOYAビジョンケアカンパニーは、社会貢献活動の一環として国連が掲げる
「持続可能な開発目標(SDGs)」達成と持続可能な社会の実現に向け、
当社の事業活動を通じて課題解決に取り組んでいます。
工場から排出される産業廃棄物は、100%再利用資源化しています。
SDGsとの関連
プラスチック製メガネレンズの削りカスの再利用
松島工場(長野県上伊那郡)で製造しているメガネレンズはプラスチック製です。
メガネレンズは最初は虫めがねのように丸く、ぶ厚いプラスチック材をお客様の度数になるように削り、最終的にはメガネフレームの形にまで削っていきます。
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セミ材
(削る前のメガネレンズ) -
お客様の度数で
できあがった丸レンズ -
メガネフレームの形にあわせて
削られたメガネレンズ
レンズを削る際は水をかけながら削っていきますので、水とプラスチックの削りカスが混じった状態で排出されます。
これではリサイクルに適しませんので、遠心分離機で水分をとばし、削りカスだけにします。脱水することで、重量を約60%ほど減らすことができます。このようにして脱水されたレンズの削りカスは、主にセメントの材料として再利用されています。
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排出される削りカス
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脱水前の削りカス
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脱水後の削りカス※写真は脱水後の削りカスを
一部取り出したものです。
プラスチックごみの再利用
レンズの削りカス以外の廃プラスチックについては、大きく2種類に分別して再資源化しています。
レンズが入っていたトレーのように汚れていないプラスチックと、油よごれ等のあるプラスチックです。
キレイなプラスチックごみは工場内で圧縮減容処理をした後、廃棄物処分工場でペレット状に加工され、製紙工場などで燃料になります。
油汚れなどのあるプラスチックは廃棄物処分工場で焼却され、燃焼ガスとしてエネルギー資源となります。そして残ったものは路盤材などに活用されています。
汚れの付着がない廃プラスチックの
一例(工場内で圧縮減容処理)
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レンズトレー
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レンズトレー(1袋)
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減容機
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圧縮後(4袋分)
各製造工程から排出された工場排水の再利用
各製造工程から排出された工場排水は、まず適切に汚濁物質と水に分離します。分離された汚濁物質は脱水機にかけられ水分をしぼり、脱水ケーキと呼ばれる板状のかたまりになります。この脱水ケーキを、さらにひと手間かけて天日干しをしてから産業廃棄物処理業者にお渡しをしています。
その天日乾燥された脱水ケーキはセメントの原料や燃料にリサイクルされています。
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脱⽔ケーキ
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脱⽔ケーキの天日乾燥
(揮発する物質に有害物質は含まれていません)
天日乾燥は自然エネルギーである太陽熱や風を利用するため、機械乾燥に比べ大幅な電力削減となりCO₂の排出、無駄な排熱を抑制できます。松島工場のある長野県上伊那地方は日照時間が2127.3h/年(全国平均1761.9h/年)と、全国でも上位に位置しているので天日乾燥に適しています。
また、減量することで収集運搬時の排ガス削減や、さらには産業廃棄物処理業者が乾燥作業をする際のエネルギーの削減に貢献することができています。
つくる責任
HOYA松島工場では、廃棄物処理業者にお渡しして終わりではなく、独自に定めたチェック項目に則って廃棄物処理業者の評価を行っています。この評価では、廃棄物処理業者が廃棄物を適正に処理する能力を備えているか、また実際に廃棄物を適正に処理しているかなどを確認するため、書類調査や処理場での処理状況の現地確認を実施しています。
松島工場スタッフの声からはじまった「CO2フリー電気」の導入
SDGsとの関連
松島工場では2022年4月より、
工場内で使用している電気にCO2フリー電気を導入しています。
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「CO2フリー電気」とは、水力発電所および太陽光発電を由来とする再生エネルギーを使用した電気のことです。CO2の排出量を削減できるだけでなく、CO2フリー電気を購入することで、再生可能エネルギーの開発を支援することにもつながっています。
工場で働くスタッフが「CO2削減を何かできないか」と色々と情報を集め「CO2フリー電気」を社内で提案したところから検討が進み、そして4月より利用スタートとなりました。
松島工場ではスタッフの皆で工場だけでなく、周りも気持ちよく暮らせるよう「環境の為に何かできることはないか」とさまざまな取組を行っています。 -
CO2フリー電気購入契約証明書
再生可能エネルギーの導入
HOYAグループでは気候変動に対するリスクへの対応を強化しています。
SDGsとの関連
国際的な環境イニシアチブである
RE100に加盟
2023年2月に企業が事業活動で消費する電力を 100%再生可能エネルギーで調達することを目指す国際的な環境イニシアチブであるRE100に加盟し、2040年度までに自社の消費する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目指し、取り組みを加速させています。
HOYAグループの眼鏡レンズ製造・販売ビジネスを担うHOYA株式会社ビジョンケア部門の日本国内各事業所においても、CO2排出量の削減に積極的に取り組んでいます。
電力契約の見直しやエネルギー属性証書の調達により再エネ化を促進しており、2022年度には再エネ電力プラン(エネルギー属性証書付)により、長野県にあるビジョンケア部門・松島工場では100%再エネ電力へ切り替えました。
さらに2023年度からはビジョンケア部門国内全事業所での使用電力は、FIT非化石証書の取得により実質100%再エネ化を実現しています。
ベトナム工場での取り組み
2022年度の「グリーンカンパニー」賞を授与されました。
SDGsとの関連
HOYAベトナム工場での取り組み
HOYAレンズベトナムは、メガネレンズの半完成品と完成品を生産する工場で、その優れた業績と環境保護活動への貢献が認められ、ビンズン省から2022年度の「グリーンカンパニー」賞を授与されました。この賞は2年ごとに授与されるもので、同社は2012年、2014年、2016年、2018年にも同賞を受賞しています。
環境モニタリングは3ヶ月ごとに実施し、排水や大気への排出が法的基準に従って完全に管理されていることを確認し、有害廃棄物の排出を最小限に抑えることで環境保護に努めています。
メガネレンズの製造には、安全で清潔な職場と環境保護システムを確立しています。また、安全で清潔な職場と環境保護を確保しながらメガネレンズの製造を行っています。