OTONA LOG

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August 25. 2016

新しい自分に出会う
~神保町・古書店巡り~

部屋の片づけをしていたら、若い頃に買った本や雑誌が押入れから出てきました。どうやら段ボールに詰めて、そのままになっていたよう。「あの頃はこういうファッションに憧れていたなあ」「この本、いつ買ったかしら?」なんて、ひとしきり回想モードの私。ウェブやスマホにすっかり慣れてしまったけれど、やっぱり活字と写真の世界が好きだなあ……としみじみ。そこで、以前から興味があった神保町の古書店巡りにトライしてみようと思い立ちました。とはいえ、どのお店に行けばいいのか見当もつかず、まずはネットで簡単な下調べ。あとはアレコレ考えず、街を歩いて目についたお店に突撃するのが面白そう。どんな本と巡り会えるのか、気分はすっかり宝探しです!

神保町の古書店

magnif 中武さん

美味しそうな飲食店で賑わう「すずらん通り」を歩いていると、黄色の窓枠が印象的なお店を発見。国内外のファッションやアート関連のヴィンテージ・マガジンを中心に扱うお店のようです。ここ「magnif」は間口こそ狭いですが、私のような雑誌好きにとっては宝石箱のようなお店。
うっとりするような写真が並ぶ1960~70年代の『Harper’s Bazaar』、モードの香り漂う『VOGUE』の各国版、当時よく読んでいた『an·an』や『Olive』といった日本の雑誌……。棚に並んだ本や雑誌を眺めていると、その時代にタイムスリップしたような気分になります。オーナーの中武さんによれば、「当時の洋服、映画、お店の情報など、ひとつの時代のカルチャーを横軸で眺められるのがヴィンテージ・マガジンの魅力」とのこと。

ヴィンテージ・マガジン

中武さんにオススメのヴィンテージ・マガジンを2冊教えてもらいました。ひとつめは1958年発行の女性誌「マッコールズ」。表紙や挿画にイラストが多用されていて、これが何ともキュート!当時の流行がよくわかり、コレクターが多いというのも頷けます。そしてもう1冊は、1981年発行のティーン向け女性誌「mc Sister」。’80年代らしいポップな色使いに、青春の頃の甘酸っぱい記憶が蘇ってきます。

@ワンダー

「magnif」を後にして、大通りをしばらく歩いてみることに。雰囲気たっぷりの古書店がずらりと並ぶ様子は、まさに神保町のイメージそのまま。音楽、演劇、歴史、哲学などを扱う専門店が多いようです。路地へ入ると、何やら道路の脇に長い本棚が。ミステリやサブカル関連本などを扱う「@ワンダー」というお店でした。店内は壁一面に古い映画のポスターが貼られ、むせかえるようなノスタルジックな雰囲気。友達とお茶しながら映画談義をした学生の頃を思い出します。棚に収まったパンフレットを眺めていると、同じ作品なのに違う絵柄があるのに気付きました。スタッフの方によれば、昔は上演館ごとにパンフレットを作っていたそうで、コレクターには特に封切り(一番館)のものが人気なのだとか。へえ、それは知らなかった!

昭和の銀幕スターのブロマイド

そして私が一番気になったのは、昭和の銀幕スターのブロマイド。陰影のあるモノクロの写真を見ていると、吉永小百合の可愛らしさ、宍戸錠のカッコよさに目を奪われました。今だからこそ新鮮に見えるモノクロの世界。今度、日本映画も見てみようかしら。2階にはカフェスペースもあり、棚に並んだ本が読み放題。いろいろなイベントも開催しているそうなので、またゆっくり遊びにきたいですね。

鳥海書房

「さくら通り」に出たところで小雨が降ってきたので、すぐ近くにある「鳥海書房」に飛び込みました。動植物の図鑑から料理やお酒に関する随筆まで、幅広いラインナップ。店員さんに声を掛けると、ここは神保町でも珍しい動植物関連の専門古書店とのこと。すぐ近くにある本店では図鑑や学術的価値の高いものを、こちらの姉妹店では料理、釣り、園芸など人間に関わるものを中心に置いているそうです。

ルドゥテという画家による博物画(図鑑絵

ふと壁を見ると、きれいに額装された植物の絵が飾られています。描写がとても細やかで、奥行きのある優しい色合い。ルドゥテという画家による博物画(図鑑絵)だそうです。ルドゥテは“バラの画家”として知られており、この多色刷りの銅版画による絵は、よく見ると細かい点で描かれているのがわかります。点刻法と呼ばれる緻密な作業が、200年経っても色褪せない不思議な魅力を生んでいるのですね。

「こういうものもありますよ」と店員さんが出してくれたのは、日本初の植物図鑑とされる「本草図譜」。江戸時代に描かれたものを元に、大正時代に8年かけて全95冊を刊行したものだとか。イラストにはなんと3,000枚もの版木が使われたそうで、ページをめくるたびに制作者の情熱が感じられます。私たちが生まれるずっと前に出版されているにも関わらず、イキイキとして、どこかユーモラスな植物たちの姿に目が釘付けです。

神保町の街並み

今回の古書店巡りで気付いたのは、今まで感じたことのない未知の興味が、まだまだ自分の中にたくさん眠っているということ。半世紀も前のファッション写真に心を動かされたり、昭和の銀幕スターがあんなに素敵に見えたり、版画で描かれた植物を可愛く感じたり……。知らなかった世界が目の前にどんどん広がっていく感覚は、古書店巡りの醍醐味といえるのかも。そして、その世界を広げてくれるのが古書店という存在。常連さんや専門家の興味深い会話が、店員さんを介して別の人に伝わっていく。一冊の本の後ろに無数の人がいて、私の興味や関心を広げる手助けをしてくれている……そんな気分になりました。
さて、手に入れた本を、今度は家でゆっくり開いてみることにします!

スポット概要

magnif

magnif

東京都千代田区神田神保町1-17
11:00~19:00 不定休
http://www.magnif.jp
国内外の様々なファッション雑誌を中心にセレクトし、その周辺の書籍、写真集なども取り扱う古書店。トラッド、ストリート、モード、暮らしなど、テーマを設けて棚を分け、シーン全体を俯瞰できるよう工夫されている。

@ワンダー

@ワンダー

東京都千代田区神田神保町2-5-4
11:00~19:00(日祝12:00~18:00) 無休
http://atwonder.blog111.fc2.com/
SF、ミステリ、怪奇幻想文学などの書籍をはじめ、 芸能、サブカル全般、映画ポスター、パンフ、チラシなどを幅広くラインナップ。アメコミ関連は神保町随一の品揃え。2階のカフェスペースで不定期にイベントを開催。

鳥海書房

鳥海書房(姉妹店)

東京都千代田区神田神保町2-11-4
10:00~18:30(祝11:00~17:30) 第3日曜休
http://jimbou.info/town/ab/ab0110.html
神田古書店センター内の本店から徒歩2分ほどにある姉妹店。資料性の高いものから、パラパラめくって楽しめるものまで、動植物全般および関連する食、釣り、園芸などの文化全般を扱う。神保町で約30年の人気店。

BOOM Individual 販売店

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メガネのはなし

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メガネレンズ取扱説明書

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