人は近くのものを見る時、視線を内側に寄せます。
近くを見るための単焦点メガネレンズ(老眼鏡)では、内側に寄せる視線を考慮して、近くが見やすいように、レンズ中心位置を合わせて作ります。
一方、累進屈折力メガネレンズは遠くから近くまで見たい距離に応じて度数が変化し、レンズ上方は遠くを見るための度数が、またレンズ下方は近くを見るための度数が設定されています。
累進屈折力メガネレンズを作る際は、まず遠くが見やすいように瞳孔の位置にレンズ中心位置を合わせます。
そして、そのレンズ中心位置から下方かつ内側にかけて、度数が徐々に変化して近くが見えるように設定されます。
従来、遠近両用メガネレンズをはじめとする累進屈折力メガネレンズは度数に関わらず、一定の距離でレンズ中心位置を内側に寄せていました。
ただし、累進屈折力メガネレンズを装用して近くを見る場合は、レンズ度数の様々な屈折(光線の進行方向が曲がる)による影響を受けるため、内側に寄せる距離が一定では見づらくなることがあります。
そこで、HOYAでは手元の見え方が広く鮮明になり、より快適にご覧いただける、エルゴノミック・インセット設計を開発し、下記の表にある製品に採用しました。度数、片眼瞳孔距離(PD)、近業目的距離の3つに分かれており、製品ごとに採用している要素は異なります。

エルゴノミック・インセット設計は下記製品に施されています。
- 1.度数別:
- 遠用度数や加入度数(近くを見るための度数)などのデータから人間工学に基づき、内側に寄せる距離を変えて最適化。
- 2.片眼瞳孔距離別(PD):
- 一人ひとり異なる片眼瞳孔距離(遠くを見る時の瞳孔の位置関係)を考慮。
- 3.近業目的距離別:
- 近くの目的物を見る距離を個別に考慮。
※2及び3は両面複合累進設計(BOOM設計)にのみ採用。
